EXPO’70から続く手仕事

EXPO’70から続く手仕事
日本極東貿易の近くに、一人の帽子職人さんが住んでいます。
話を聞いて驚きました。
1970年の大阪万博、EXPO’70の時代。
その職人さんは夫婦で帽子を作り、万博へ納品していたそうです。
当時一回の納品はなんと約5,000個。
「めちゃくちゃ忙しかったよ。」
そう笑いながら話してくれました。
今の感覚では想像もつかない数です。
夫婦二人で型入れから裁断、縫製、仕上げまで行い、大阪万博という歴史的な舞台へ帽子を送り出していた。
まさに日本のものづくりが勢いを持っていた時代の話です。
そんな職人さんが、偶然にも日本極東貿易の近くに住んでいました。
そして今回、日本極東貿易のタータンを使ったビッグキャスケットの製作をお願いしています。
使用しているのはスコティッシュタータン。
一つひとつのパーツをランダムに組み合わせながら製作しています。
同じ配置は二つと存在しません。
この帽子は元々、お芝居の舞台衣装として依頼を受けたことから始まりました。
舞台の上で存在感を放つために生まれたビッグキャスケットです。
今では職人さんも、
「もう新しい型紙を起こすのは嫌やなあ(笑)」
と言います。
長年帽子を作り続けてきたからこその言葉です。
それでも、この帽子は作ってくれました。
EXPO’70の時代から続く技術。
一人の職人が最初から最後まで仕上げる昔ながらの製法。
スコットランドのタータン文化。
舞台衣装として生まれた物語。
様々な時間と経験が重なって完成した特別な帽子です。
私たちは服や帽子を作っています。
けれど本当に残したいのは、こうした人の技術や記憶なのかもしれません。
(僕はどちらかと言うと記憶の方が好きです。)
このビッグキャスケットには、単なる帽子以上の物語があります。
EXPO’70から2026年へ。
半世紀以上の時間を超えて繋がる手仕事を、ぜひ手に取ってみてください。
日本極東貿易
残すために、売る。
